相続放棄と遺産分割協議の違いについて司法書士がわかりやすく解説

「最初から相続人ではなくなる相続放棄」と、「相続人として参加する遺産分割協議」は、まったく違います!

相続放棄と遺産分割協議との違いについて

「相続放棄をして、財産をいらないって言うのと、遺産分割協議で財産をいらないって言うのは、どこがどう違うの?」というご質問をいただくことがあります。

相続放棄とは、「亡くなった方(被相続人)の財産も借金も、何もかも相続したくないので、最初から相続人ではなかったことにしてください」と、国の機関である家庭裁判所に申述をして、家庭裁判所に認めてもらうことをいいます。

遺産分割協議とは、自身が相続人であることを認めた上で、「この財産と負債は相続しません!」と、他の相続人と話し合って合意することをいいます。

つまり相続放棄とは、「相続人ではないことを国に認めてもらい、財産や負債と無関係になる手続き」であり、遺産分割とは、「相続人であることを自身で認めたうえで、財産も負債もいらないと、相続人どうしで決める手続き」、ということになります。

相続放棄と遺産分割協議との違い

遺産分割協議はあくまで話し合い

上記のように、相続放棄と遺産分割が全く違うことがおわかりになると思います。

たとえば、遺産分割協議の中で「相続人Aは、亡くなった父の銀行からの借入金は相続しない」という条項を定めて、他の相続人全員から合意を得たとしても、その合意は、銀行を拘束するものではありません。

つまり、銀行は、相続人全員に対して「Aさんを含めた相続人の皆様、亡くなったお父様の借入金を返済してください」と請求することができるのです。

なぜなら、遺産分割協議は「あくまで相続人どうしで決めたことにすぎない」ので、銀行にとっては関係のないことだからです。

相続放棄と遺産分割では効力に違いがある

遺産分割協議はあくまで相続人同士で決めたことにすぎないので、銀行などには効力を発揮しません。

ですので、誰に対しても「財産も負債も相続していません。私は相続人ではありません!」と胸を張って言うためには、やはり相続放棄が必要となります。

【遺産分割協議】大原則ルールと知っておくべき注意点や協議の進め方(外部リンク) 

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